藤店うどん
埼玉県きっての人気うどん店の藤店(ふじだな)うどん
人気なだけあって込み合う時間帯(11時~13時)は、想像以上に他のお客さんであふれています。立派な店構えで、客席も多いですが、お客さんが次々と来店するためです。その時間帯は仕方なくボードに名前を書いておとなしく待つことにしましょう。
ただ、そんな待ち時間でも飽きることがないです。というのも、打ち場で職人さんが営々とうどんを打っている様子が素晴らしいからです。その職人さんの惚れ惚れする動きをみていると、うどん用のアルミ製パット(うどんを入れて保管する容器)が次々と積みあがっていきます。その数、100枚ではきかないほど、おびただしい枚数です。いつの間にか職人さんを応援している自分に気づくと思います。
順番が来て、カウンター席につくことができたらラッキーです。それは、戦場ともいうべき厨房の様子が見学できるからです。専属で持ち場を守る調理場のプロの見事なまでの連携はまさに職人技ですよ。注文を管理している女性が「並」「中」「大」と言えば、即座にその量のうどん麺が運ばれ、それと同時につゆも用意されます。そして気持ちがいいほど次々とお客さんの元にうどんが運ばれていきます。この様子はまさに「阿吽の呼吸」です。
さて、肝心なのはうどんのおいしさ。この藤店うどんの名物は肉汁うどん。
まずは麵だけ味見してみてください。麺の太さは直径1センチを超えるくらいで、ムチムチ&ゴリゴリの剛腕系です。あごに結構力を入れて臨まないと、力強いコシに打ち負かされます。
また、麺つゆは、コシが強い麺とのバランスで濃いめです。つゆが濃いとどうしても飽きがくるものですが、肉汁うどんのつゆは醤油辛さがなく、つゆだけ飲んでもくたびれません。たっぷりのネギ、豚肉、揚げの旨味とともに、カツオ節の旨味をすごく感じるつゆです。